軍は望ましくない機関<アメリカの憲法は、軍部を、必要ではあるが、望ましくない機関と見なしている> 1990年1月16日、ウィーンのホーフブルグ宮殿で開 かれた、東西緊張の解消を目指した欧州安全保障協力会議 で、ソヴィエトの将軍を前に、アメリカにおける軍隊の位 置について、コリン・パウエル統合参謀本部議長は、次の ような意見を述べます。 「私はアメリカの憲法を支持し、守ると宣誓することを要 求されました。この憲法は、軍部を、とくに私が勤めてい る陸軍を、危機のときには役立つが、それ以外のときはい つでも注意深く見張らなければならない――つまり、必要 ではあるが、望ましくない――機関と見なしています。 建国のときから、アメリカ国民は、常備軍という考えに抵 抗がありました。憲法を起草した人びとの一人は、その限 度を2000人にすることを勧告しました。それにたいす るジョージ・ワシントンの答は、すばらしい考え――だが 敵が全部集まっても、われわれと同じ数にしかならないと 確信できさえすればいいのだが、というものでした。 私は四つ星の議長ではありますが、アメリカで軍の最高位 を占める人物ではありません。最高司令官は、文民の大統 領です。軍を集める必要が生じたとき、その姿勢は防衛で なければならず、その規模の基準をきびしくチェックしな ければならないと、アメリカ国民は主張してきました。 私が今日この席に座っているとき、わが国の議会は私の陸 軍を縮小する方法を考えています。これが民主主義国家に おけるやりかたであり、私はそれが別のやりかたであって ほしいとは望みません」 ジャンル別一覧
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